『ペルソナ5』特別シューティングの撮影現場に潜入!
大人気RPGゲーム『ペルソナ』シリーズのナンバリング第5作目となる『ペルソナ5』。今回は『ペルソナ5』の特別シューティングの撮影現場に潜入。
Creative direction & Stylingの高橋 毅さんが『ペルソナ』シリーズのディレクションを手がけるのは今回が2回目。『ペルソナ5』のキャラクターたちをどのように表現したのか?
フォトセッションのこだわりポイントなどについて、高橋さんにうかがってみました。
プロフィール
武蔵野美術大学短期大学部卒業。
スタイリストとして数々のミュージシャンや俳優、広告を手掛ける他、近年では枠にとらわれず、CDジャケットやアパレルの広告などでクリエイティブ・ディレクターとしてビジュアル全般のディレクションを行うなど幅広く活躍。
代表作にJOJOの奇妙な冒険×資生堂、三浦大知 ツアー衣装、the dresscodes、舞台「ロッキー・ホラー・ショー」イメージビジュアルデザイン等
高橋 毅HP https://www.jealousy.jp/
特別メイキングムービーを大公開!!
インタビューと合わせてご覧ください♡
シルエットに強弱をつけることで
よりキャラクターがイメージしやすくなる
──『ペルソナ』シリーズのディレクションは、今回で2回目になります。『ペルソナ5』の特別シューティングに臨むにあってのこだわりポイントを教えてください。
今回は『ペルソナ5』の主人公ジョーカーと、重要な登場人物である明智吾郎のフォトセッションになります。ゲーム上でのキャラクターは、ふたりとも中性的な感じがするんですよ。
それを踏まえて、今回の撮影モデルは男性ではなく、あえて女性モデルを起用しました。そこが、第一のこだわりポイントですね。
──男性キャラであるのに女性モデルの起用……その狙いは?
キャラクターは男の子ですから、本来ならば男性モデルを起用して撮影するのが基本になるかと思います。
でも、そうするとジョーカーや明智の持つ中性的な魅力を表現するのが難しい。アニメーションとして作られたキャラクターなわけですから、当然のことアニメっぽくなる表現をしたい。
それをどうやったら、現実のものとして再現できるだろうか?
試行錯誤を繰り返して閃いたのが、女性モデルの起用という選択肢だったんです。
ゲームの中の彼らも体の線は細いですし、シュッとアゴが尖っている。
その点、今回起用したモデルさんは、イメージにぴったり!
これでよりゲームの世界観に近づけるんではないかな、と思いました。
あと、男性キャラをあえて女性モデルによって表現することで、匿名性を持たせることができるというのもポイントですね。
そのときに大事にしたのが、「シルエット」なんです。
──「シルエット」とは、具体的にどういうことでしょうか?
シルエットを、「フォルム=形」に置き換えるとわかりやすいかな。
体の線や髪型もそうですが、シルエットでキャラクターを浮き上がらせる。衣装もそうです。裾など膨らんでいるところは膨らんでいる。袖や手足なんかの細いところは、細くなっている。
全体のシルエットに強弱をつけることで、よりキャラクターがイメージしやすくなりますし、世界観を感じることができると思ったんです。
でも、キャラクターのシルエットを強調しようとすると、男性の骨格だとむずかしいんですよ。
そこにも女性モデルを起用した理由があったんです。
──キャラクターのイメージ作り、あるいは世界観の創出で具体的なポイントをあげるとしたら?
ジョーカーのウィッグです!(笑)
ご存知のようにジョーカーのヘアスタイルは黒髪のショート。それに、髪の毛がピンと跳ねているのが特徴です。
ゲームの中のキャラクターを完全に再現するのは難しいけど、パッと見た目でわかるようにしたい。ジョーカーの場合は、ウィッグで再現性を高くして表現したいと思いました。
──明智吾郎については、いかがですか?
明智も同じですね。
なんといっても、日常には滅多にいない髪型ですから(笑)。
地毛では表現できないため、明智を再現するうえでもジョーカー同様ウィッグはキーアイテムになりましたね。
「ペルソナ5」がハリウッドで実写化
されたとしたらを想像しながら作り込み
──イメージカットにおける、服装についての再現性については?
ジョーカーも明智もオリジナルは平面的なわけです。二次元に存在する彼らを三次元として浮き上がらせていかなければならない。
そこで僕は、僕なりのフィルターを通して、洋服のディテールを加えていったという感じです。
──ディテールとは、たとえば……?
キャラクターの衣装については、ディテール情報がありません。たとえば、ジョーカーの衣装で襟元の裏側がどんなふうになっているのかは、平面的な彼らからはうかがえないわけです。
逆の言い方をすれば、そこには細かな制約がないということになります。
そこで僕なりのフィルターを通し、襟元にレースっぽいパイピングがあったほうが、よりカッコいいんじゃないか。そんなふうにイメージを膨らませながら、僕なりに実際の衣装に落とし込んでいきました。
ですから、イメージとしては、オートクチュールですね。
もし、『ペルソナ5』がハリウッドで実写化されるとしたら、みたいなことを想像しながら作り込みしていったんです(笑)
──ジョーカーと明智、それぞれのイメージカットでアピールしたいところを教えてください。
ジョーカーでは、マスクですね。
あのマスクは型取りして、一から造形したものなんです。
あとはコートもそうです。ジョーカーをイメージしながら、光沢感のあるジャガードっぽい生地を選んでみました。
ウィッグとマスク、それにコート……結局、全部になっちゃいますね(笑)
逆に明智のほうは、髪型がすべてかもしれません(笑)
といっても、ジャケットを作るときにワッペンはデザインから起こしていますし、結構こだわってはいるんですよ。
ただし、そうした細かいところよりも、全身で見たときの明智というキャラクターのインパクト。つまり、パッと見で明智とわかる。
明智については、そんなふうに全体像を大事しての作り込みといった感じですね。
──当店のアイテムを利用した私服バージョンのスタイリングのテーマはどうでしょうか?
まず、イメージカットについては、キャラクターが一目でわかるようにすることが大事。
たとえば、衣装の細かな類似や極端なシルエットです。キャラクター感を強く、しかもわかりやすく演出することで、いわばファンタジーの要素を強く出しています。
それに対して私服バージョンは、デイリーウェアですから、やりすぎてはいけません。『ペルソナ5』のファンやその他の人たちがその写真を見て、欲しくなるような洋服として見せなければと思いました。
ですから、イメージカットは動きを持たせ、デイリーウェアのほうはファッションカタログ的に演出することを心がけました。
そうすることで、日常の中でのオシャレ感や真似してみたいという意欲をかき立てるような感じにしてみたんです。
2つのカットには、そんな違いを持たせています。
──今回の『ペルソナ5』の特別シューティングを終えての感想を聞かせてください。
『ペルソナ』シリーズは僕も大好きなゲームの一つで、『ペルソナ5』も4回やってます(笑)
キャラクターも格好良いし、ストーリーがしっかりしていてすごく面白いから、大人でも楽しめるんですよ。
だから今回の特別シューティングも、僕なりに楽しみながら取り組むことができました。
ただ、一つだけ残念だったのが、今回の明智は制服メインであったため、怪盗に変装した明智のフォトセッションがなかったこと。カラスの赤いペストマスクと王子さまみたいな赤いマント。やりがいあっただろうなぁ……って、思ってます(笑)
──高橋さん、お忙しい中ありがとうございました。
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